
消費者金融のこんな変化
米国の154 第IV部ミューチユアルファンドの法制と税制ミューチュアルファンドは、株式ファンド、債券フアンドにかかわらずすべて、保有ポートフォリオが時価評価され、それがファンドの価値であるNAVになります。
投資家はこのNAVでファンドを売買します。
ファンドを保有している投資家は、定期的に配当を受け取ります。
この配当は、今述べた源泉によって、マリ子・配当から生じる配当」と「売買益から生じる配当(キャピタルゲイン配当)J の2種類に分けられ、課税は配当の源泉に従って別々に行われます(詳しい課税方法については後述)。
ファンドが運用している銘柄を投資家が直接持っていたのと同じように課税されるというのはこのことを指しています。
一方、 NAVに反映される評価損益は、ファンドを売却した時点で初めて実現化されることになります。
ファンドを売却すると、ファンドの売却時NAVと購入時NAVの差額がキャピタルゲインとして課税されます。
普通の個別銘柄を購入して、その後いくら値上がりしても、売却して実現しない限りは課税されることはなし売却したときに購入価格との差額に課税されるのとまった〈同じです。
具体的な課税方法ではここで、具体的な課税方法を見てみましょう。
まず、利子・配当からの配当は、通常所得として給与所得などと合算して課税されます。
問題はキャピタルゲイン配当です。
前述したように、キャピタルゲイン(またはロス)は、保有期聞が1年以下の有価証券の売却によって生じる短期キャピタルゲイン/ロスと1年超の保有後に生じる長期キャピタルゲイン/ロスに分けられます。
ファンド会社が有価証券を売買して実現きせた売買益を源泉としたキャピタルゲイン配当は、すべて長期キャピタルゲインとみなされます。
投資家がファンドを実際に売却して手にしたキャピタルゲイン(あるいはロス)、すなわち売却時NAVと購入時NAVの差額は、保有期間によって短期キャピタルゲイン/ロスか長期キャピタルゲイン/ロスに分類されます。
短期と長期の分類が終わると、短期・長期ごとにゲインとロスをネットします。
そして、そのネットした結果(すなわちネット短期キャピタルゲイン/ロスとネット長期キャピタルゲイン/ロス)をさらに足して、全体でのネット・キャピタルゲイン/ロスを算出します。
この結果、短期/長期合わせたネットでみて、ゲインになった(プラスだった)場合に税金がかかるわけですが、短期と長期のどちらがゲインだったかによって税率が変わります。
話は細かくなりますが、短期がゲインで長期がロスで全体のネットがゲインの場合は、通常所得として利子・配当などと合算されます。
逆に長期がゲインで、短期がロスの場合((e) のケース)は長期キャピタルゲイン課税ミューチュアルファンドの配当のしくみファンドの運用収益配当ミューチユアルファンドの収益は、利子・配当収入、売却益、評価損益に分けられるが、このうち、利子・配当収入と売却益がファンドの配当にかされ、評価損益はNAVの増減に反映される。
Nが適用されます。
これは現在、最高税率が28%となっています。
税率が50%になるような所得がある人でも、長期キャピタルゲイン課税が適用される分については28%までしか税金がかからないのです。
最後の(f)のケース、短期も長期もゲインが出た場合は、長期の分についてだけ長期キャピタルゲイン課税が適用されます。
表の最初の3つのケース、つまりネットでロスが出た場合は、前述のように長期・短期にかかわらず、限度額(夫婦合わせて3000ドル)まで通常の課税所得から控除されます。
米国における投資信託課税の特色は、投資信託は有価証券を組み込んだ器であり、その果実は利子・配当とキャピタルゲイン/ロスに分かれます。
したがって、この二つの利益を、あたかも個人が保有していたとみて、各々の税率で課税していこうとするものです。
つまり、組み込まれている有価証券の属性に注目しているのです。
一方、 日本においては、投資信託はそれ自体が商品であり、他の金融商品との整合性を考慮して税率が決まります。
投資信託からの収益は利子、配当、キャピタルゲインにかかわらず、 20%の源泉分離課税となっています。
これは少しおかしいと思います。
単純な例で示せば、株式10銘柄を持っていて全部売却して利益が出た時は、源泉分離課税を選べば売却代金に対して1。
05%の課税(申告分離の場合は売却益の26%) ですが、株式投資信託で同じ10銘柄を持ち、売却益が出て配当されれば20%源泉分離課税となるのです。
米国では総合課税が原則として貫かれているため投資信託税制は金融取引に対して基本中立ですが、 日本においては中立ではないのです。
日本においても、投資信託に組み込まれている商品の属性にあわせた課税をめざすべきではないでしょうか。
前の章で述べたように、 ミューチュアルファンドは債券ファンドでも株式ファンドでも時価評価が行われています。
ただ債券ファンドについては、株式ファンドと異なり時価を入手するのはそう簡単ではありません。
株式の場合は基本的に上場価格を時価とすればよいのですが、債券の場合は大半の取引が店頭取引で、上場価格がないからです。
右側の表は、米国における債券ファンドの時価評価のやり方をまとめたものです。
年金、銀行会計もほぼ同一基準で評価きれます。
市場価格は価格情報サービスやディーラーから入手され、取引価格がない場合は直近のビッド価格や中値を用い、それもなければ、類似の証券価格を参考にしたり証券価格決定モデルを利用して公正価額(fairvalue) が適正に決定され、それを「時価」としています。
一方日本では、外国債券は時価評価されますが、日本債については「時価とは上場価格である」との考え方が根強くあります。
ところが債券で上場されているのは国債を除くと極めて限られた銘柄しかありません。
そのため、店頭銘柄については、 日本証券業協会が公表している店頭気配が時価として適切なのか、気配値のない銘柄の時価はどのようにして計測するのか、が大きな問題となってしまうのです。
その結果日本においては、上場債券は時価評価、非上場債券は時価評価せず簿価のまま、 という慣行が続いています。
しかし、債券の価格は市場金利の変化にあわせて変動しています。
その債券を保有している債券フアンドの時価も当然変化しています。
したがって債券ファンドも株式型フアンドと同じく時価評価を行い、その価格で投資家は売買すべきなのです。
日本においても、上場価格にこだわることなし届頭気配、あるいは価格情報を提供する情報ベンダーや証券会社からの時価により、債券ファンドを時価評価し、この時価をべースに人々が売買する。
投資信託が導管である以上、これがまず原点だと思います。
さらに日本の債券フアンドには、預金類似商品としての性格を強調するあまり、ファンドの基準価額を1万円以上にコントロールしようとする意思が強〈働いているものがあります。
元本割れはイメージが悪<、極力これを避けようとするためで、運用に対する阻害要因となっています。
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